テクニカルコラム かんたん♪ZFS
第三回:OpenSolaris / Nexenta(2010年1月1日発行)
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
このコラムでは、皆様がよく使われているファイルシステムと ZFS の
違いをケーススタディをもとにご紹介していきます。
今までのファイルシステムとは一味違う ZFS を活用して面倒なファイ
ル管理の苦労を減らしましょう!
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Z株式会社は関西に本拠を置く社員三百人のシステムインテグレータ
です。その情報システム部で社内システムの管理を担当しているAさん
の日常を見てみましょう。
名古屋にサテライトオフィスを作ることになり、そのネットワーク構
築を担当することになったAさん、本社とのファイル共有をどのように
実現するのか悩みます。
「ZFS はどうでしょうか?」
そう言うと根久善太はにっこりと笑いました。 Aさんも ZFS という
ファイルシステムがあることは聞いたことがありました。でも、少し心
配です。
「無償なのはいいんだが、ちゃんとしたものなのかい?」
「ZFS はサン・マイクロシステムズが開発したファイルシステムです。
サンは OpenSolaris プロジェクトに Solaris 10 と ZFS を提供した
んです。商用でも十分実績がありますよ」
「どうやって使うんだい?」
「Nexenta というディストリビューションがあります。OpenSolaris カー
ネルに Ubuntu のユーザランドを組み合わせたものです。これをイン
ストールすれば使うことができますよ」
「今回のサテライトオフィスに使えるんだな?」
「はい。ZFS はスナップショットを外部に送信する機能を持っています。
それに OpenSolaris プロジェクトにある Sun StorageTek
Availability Suite を使えばブロックレベルで遠隔地へのデータコピー
ができます」
Aさんは早速試してみることにしました。Nexenta のインストール CD
は http://www.nexenta.org/os/Download からダウンロードすることが
できます。
「できれば 64 ビットマシンがいいですね。ハードディスクも三台以上
接続されている方がいいです」
Aさんは会社に標準サーバとして導入しているマシンの予備機を使う
ことにしました。次のような構成のマシンです。
+ Intel Xeon 5260
+ メモリ 8 GB
+ ハードディスク SAS 300 GB × 8 台
「メモリは多いほどいいです。ZFS は搭載されているメモリのほとんど
をキャッシュとして活用します。あと RAID を使わずに全てのディス
クをそのまま OS に見せる方が、ZFS の仕組みが良く分かると思いま
すよ」
http://www.nexenta.org/os/Getting_Started に従ってインストール
を進めます。システム用のハードディスクは 8 台のうちの 2 台を選択
しました。こうしておくと、インストーラが OS 領域をミラー構成にし
てくれます。タイムゾーン、 root パスワードなどを促されるままに入
力し、ファイルコピーが終わるとインストールが完了しました。
(つづく)
(高田 浩生)